2010.January.20

甘い醤油味の和食 - 日本のイメージ

先日のぷっすまでやっていた企画が面白かった。その内容は、各国の料理を扱ったレストランで、本場の国の方が食べてもおいしくいただけるかというもの。サイゼリアの若鶏のグリル ディアボラ風(イタリア語で小悪魔)のソースが、ぜんぜん悪魔っぽくなかったり、牛角のチゲ鍋も辛くないなど本国の料理に比べて、ずいぶんと日本人好みの甘さになっているらしい。
甘いソースをメインで使っている国って、日本だけかなって思います。和食の代表格であるすき焼き割りしたや、肉じゃがも甘い。テリヤキバーガーも甘甘だ。そういやぁ、甘栗なんてのもある。広島風お好み焼きのソースも甘いし、さつまいもの甘煮やイワシの甘露煮とか言い出したらきりがない。そんな甘党の舌に答えるため、辛い料理も若干抑えめになってしまうんでしょう。その土地文化に定着・浸透していく過程で、人の好みに左右されつつ柔軟に変化するのが料理ですからね。

料理は食材と調理方法、盛りつけを合わせた総合芸術だと思います。もちろん、そのどれかが欠けてもいけませんが、ソースがその料理らしさを強烈に意味付けるものであることは間違いありません。ラーメンは、スープが違うだけで醤油・塩・味噌とバリエーション出すことが出来ます。博多とんこつラーメンは麺が違うので、スープ変えただけでは成立しませんが、その料理の印象のほとんどを、スープ(ソース)自体が占めているのは、よく分かりますよね。
もう少し考えるとソースを味わうだけで、その国のイメージを連想することだってできます。例えば、ウコンとターメリックを使ったカレー味は強くインドのイメージを醸し出しているし、唐辛子を使ったコチュジャンの韓国・小麦粉とバター牛乳で作るベシャメルソースのフレンチ・ケチャップソースのイタリアンなどなど。
そして、甘い醤油味の和食 - 日本のイメージとなるわけです。

ヨーロッパで人気の和食のお店。ソイソースが一般家庭でも浸透していますね。

2010.January.19

カラープロファイルとカラーマネージメント

仕事やプライベートでもMacを使い続けて10年以上たったんだけど、未だにカラーマッチングの問題には悩まされる。MacはWindowsと違って、システムにColorSyncっていうカラーマッチングが組み込まれているので、どのソフトで見てもさほど変わりはしない。ただ、厳密に見出すと微妙に違ったりしていて、その調整に四苦八苦してしまうのだ。例えば、webブラウザでの色の違いがある。Safariは標準でICCプロファイルが埋め込まれた画像のみカラースペース変換してくれるのだけど、Firefox 3 はカラースペースが指定されていない場合 sRGBと見なして色変換してしまう。
詳しくはこちらを参照
MacではSafariを使うのがベストな選択なんですが、FLASHの外部jpeg読み込みすると、またちょっと違うので、どうしたらいいか悩みます・・・。
モニターと印刷のプロファイル設定も大変な作業だ。アドビのこのページを見ても、なんか釈然としないので自分が使っているプリンタに合わせて、自分で調整することにした。

一枚の印刷用紙に4回印刷方法を変えてプリントして比較するという、極めてアナログなやり方。これが一番確実かな、と。

2009.December.19

ムービー撮影と編集のコツ

ムービー撮影と編集のコツ

最近は、デジタル1眼レフカメラやiPhoneでもムービーが撮れるようになり、映像制作の敷居がずいぶん下がったと思います。そこで、今回はムービー撮影と編集のコツと題して、そのポイントをいくつかご紹介します。

常に編集を考えた撮影を心がける
雑誌や広告などのスチール撮影であれば、どんな写真組みで構成されるか考えて撮らないと、後でデザイナーがうまくレイアウトできなくなります。そのため、レイアウトバランスが良くなるように、事前に編集者とカメラマンとで、ラフ画などを使って打ち合わせを行っています。
当然、ムービーの撮影でも、必要な素材が無いと編集が困難になります。たとえ個人旅行の撮影する場合であっても、後で困らないように作品全体の構成を考えながら、ロングショット・アップ・パン(水平方向のカメラアングル)・イメージ撮りなど、多めに撮りましょう。一度自分で撮影から編集までやってみると、いい作品にするためには、どんな撮影フッテージ(素材)が必要だったのか、よく分かるかと思います。

1つのシーンで色んな角度から撮る
映画の爆破シーンでは、編集の際に色んな角度から爆破の様子を見せるため、何台ものカメラを使って撮影します。そうすることで、1回本番のシーンでも、{アップで燃え始め}+{暴炎が舞い}+{ロングショットで煙が立ち上る}といった具合に、臨場感のある演出ができるのです。例えば、結婚式であれば、新郎新婦のアップと会場全体を捉えた2台体制にすることで、{新郎新婦入場}+{二人の顔アップ}+{会場のロングショット}と、その場の雰囲気をきれいに繋ぐことができます。同じように、一台のカメラしか持って行かない旅行のスナップムービーでも、右と左、アップとロングなど、色々な見せ方で撮ってみましょう。たくさんの素材が、あとでとても役に立ちます。

同じカメラアングルで使うカットは、ひとつだけ
先に1つのシーンでたくさん撮りましょうと書きましたが、注意点もあります。同じアングルで使うフッテージは、ひとつだけです。1シーン中に、色んな角度で編集するのは見やすいのですが、それと同じアングルが何本も繋がっていたら、かえって見辛い映像となってしまいます。カメラアングルが同じカットに限っては、OKテイク以外は、すべてNGとしましょう。そう覚えてください。

編集できた作品は、一日たってから再度見直そう
完璧に編集できたと思っても、思わぬところでミスも見つかります。また、時が経ち、客観的に見て不必要なカットや物足りないつなぎになっていると気づくことも多々あります。そのため、できた後に、再度見直すことも忘れずに。

こちらは、アニメ制作の現場。編集のやり方が凄いですね。アッと驚きます。

2009.December.14

串揚げ屋さんの利益率がとてもいいらしい

串揚げ屋さんの利益率がとてもいいらしい。なんと、居酒屋や焼き鳥屋さんに比べて、10%も効率良く利益を出せるというのだ。
その理由として、季節もの料理が少なく、一年中食べることが出来て、食材も豊富。また、調理手順が少なくて、店員のミスも少ない。
もちろん、スピーディーに料理を提供できるから、回転率も高くなる。居酒屋のように、長時間飲まれるとお店としては利益が出ないのだ。
また、串家物語みたいな食べ放題スタイルのお店から、東京ミシュランガイド2010の一つ星に選ばれた六覺燈まで、業態の中でジャンルも多く価格帯の幅も広い。女性から家族連れまで多種多様な客層をつかむことができるわけだ。

他にも気になるアノ商品の儲けをいくつか
マクドナルド ハンバーガー 定価 100円 : 原価 45円
マクドナルド ポテト(M) 定価 250円 : 原価 10~20円
ガリガリ君 定価 60円 : 原価 5円 
焼き肉食べ放題 定価1,980円 : 原価 500円
某ブランド口紅 定価 3,000円 : 原価 20円
某ブランド美白クリーム 定価 2,500円 : 原価 25円
コンタクトレンズ 定価 20,000円 : 原価 5円
トヨタ カローラ 定価 140万円 : 原価 22万円
一軒家 定価 2,000万円 : 原価 1,200万円

なかなか面白いね

2009.November.13

コンデジをアキラメテ、K-Xを買おう

つい先日、リコーがユニット交換式デジタルカメラ「GXR」を発表した。話の詳細は省くが、コンパクトカメラの携帯性を持ちつつ、レンズ交換式の利便性と画質の良さを確保した新商品である。
そのリコーが出しているコンパクトデジタルカメラは、GR DIGITAL IIIのように28mm(35mm換算)F1.9のレンズを搭載したモデルなど、非常に出来がよくて、ユーザー支持も熱い。F1.9の大口径レンズが備わっていれば、暗いところでも十分手持ちで撮れて、お散歩ライフがより楽しくなるってものだ。
一方、「GXR」のレンズユニットはズームレンズだけでなく、50mm F2.5 Macroもある。(これが実売7万弱)
料理写真など、寄ってアップに撮る場合はとても役に立つレンズなのですが、如何せん高い。GXRの店頭予想価格が5万だから、12万出すのなら、一眼レフデジタルカメラ買った方がいい、と僕は思う。もちろん、K-XとDA40mmもしくはDA35mm。

そう、結局、コンパクトデジタルカメラを購入するユーザー層のほとんどが、値段で決めているのだ。2万くらいで買えて、かつ、手持ちでアップが撮れるカメラ。そんなのが欲しいのだが、コンパクトデジタルカメラのズームレンズは、ほぼ望遠側がF4〜5と暗い。ノイズを考慮すると、ISO400までが限界だから、自ずとシャッタースピードが遅くなる。暗いレストランで料理写真撮ろうものなら、手ぶれ量産してしまうわけで、仕方が無いから、みんなストロボ使う。当然、見栄えも悪くなる。
どうしても、2万円のコンパクトデジタルカメラで撮るのならば、安くてもいいから、三脚を追加購入するといいですね。少なくとも、手ぶれはなくなるでしょう。

2009.October.09

意外なものの意外な値段

普段目にしているありふれた物が、意外と値段が高いことがあります。例えば、信号機が一基6,000万円。駅の自動改札機が一基650万円。機械じゃなくて、駅員さんが交代制で勤務したら、もっと人件費がかさみそうですけどね。
今、話題の群馬県の八ツ場ダムですが、
建設を中止した場合にかかるコスト 2,230億円
建設を続行した場合にかかるコスト 1,390億円
だそうです。中止した方が、840億円も多くコストが掛かってしまいます。けれども、トータル的には維持費の問題もあるので、中止にした方がいい場合もありますが、政治というものは難しいものですね。
億単位の開発費で言えば、宇宙開発もスゴいです。日本の衛星「かぐや」の開発費用は320億円。さらに、打ち上げ費用が110億円かかっています。NASAのスペースシャトル打ち上げ費用はさらに高く、1,000億円とも言われています。安全対策と運営費用にコストがかかっているのですが、それで得られる利益ってどれほどのものがあるんでしょうね。

ネットの広告費とアクセス総数の関係も面白い。webページを立ち上げても、どこにも宣伝しない場合は、1日の訪問ユーザー数なんて、10〜20人くらいなもの。そのサイト制作費に300万〜500万かかっていては、元が取れないでしょう。費用対効果という面で考えれば、市販ソフトや自分でCMS使って作った方がいい。むしろ、広告費に費用をかけるべきでしょう。もちろん、アクセス数が高ければ状況も変わります。1000〜10000/日アクセスが見込めるサイトで、素人が作ったようなデザインでは、逆にイメージ低下となってしまう。広告というのは、どれだけの視聴者がいるかで費用が変わっていくもの。テレビのCM制作費が高いのは、当たり前のことであるのだ。
そのテレビ番組で取り上げられた場合、棚ぼた式にアクセス数は10〜100倍にもなる。うーん、テレビの効果は凄い。でも、それも数日すると戻ってしまうので、宣伝効果を持続するためには、デザイン費・宣伝費・運営維持費を払い続けないとならず、企業が売り上げ維持していくためには、大変体力がいることなんですよね。

2009.October.05

東洋と西洋では見方が違う 広告編

以前、「東洋と西洋では見方が違う」と題して東洋と西洋のモノの見方の違いを書きました。世界と物質との関わり方をカテゴライズする西洋人と、全体との関係性の中で考える東洋人との間では、ひとつの絵を見ても互いに違うイメージを持つというもの。
これだけインターネットやテレビが普及して、世界の常識を知ることができて、互いの国を簡単に往復できるようになっていても、その国々で浸透していた価値観は早々変わるものではありません。我々が正しいと思っていることでも、他国から見れば、変な習慣だってこともあるわけです。面白いですよね。

「よし、じゃあ、今日から西洋風の考え方で生きよう!!」
「俺は、音楽は洋楽しか聴かないし日本あんまり好きじゃない」
って思っていても、実際、この国で仕事や日常生活をしている以上、無意識の中で東洋的思想にドップリ浸かっていたりするのです。
これって、仕事でビジュアル表現をしなければいけない立場の方は、とってもよく分かるのではないでしょうか。
例えば、GAPのサイトで見比べてみると・・・

http://www.gap.com/
・情報量の多いECサイトだけれど、bodyのスライド画像が明確に主張していて目を引く
・その代わりカテゴリーボタンなどはFONTサイズ小さく、全体とのメリハリ差が大きい
 (欲しい商品をすぐ検索したいのに適している)

http://gap.co.jp/
・現在展開している各キャンペーン広告を適度に目立たせて、全体とのバランスを合わせる
・サイト滞在時間を長く想定しているため、ユーザーが商品を探すことを前提にした設計
 (悪く言うと、迷い易いサイト)

デザインテーマの主張を明確にするか、また、それぞれのキャンペーンテーマを満遍なく表現するかでレイアウトの方向性も変わる。どこにプライオリティーを持っていくか、もしくは、どれも大切だと考えるか、それぞれの到達地点はまったく違う。



ケイトモスのDiorの写真も組曲の写真もどちらも素敵な写真だ。そりゃあ、両方ともプロ中のプロの仕事だから当然だけど、西洋と東洋の仕事の進め方の違いが広告表現まで影響されていて、とても興味深い。カメラマンやヘアメイクが西欧志向であっても、そのプロジェクトを進行するスタッフの総意が東洋的であれば、東洋的思想で矯正された納品物になるだろう。
なんか、でも、そうなってくると、海外で写真やデザインを学ぶことにどれだけ意味があるか、分からなくなるよね・・・。

2009.October.03

化粧品コマーシャル

化粧品のCMが面白い。映像が素敵ということじゃなくて、その戦略である。
資生堂の「TSUBAKI」では、SMAPの曲「Dear WOMAN」を使って各世代に人気のある女優さんを起用している。数カットしか出ない髪をなびかせる女性たちも、かなり有名なモデルさんをキャスティングされていたりする。知ってる子も出ていて、映画のカメオ出演を探すみたいで実に面白い。

資生堂のシャンプーは、長く業界4位で低迷していました。そこで、大型のブランドに宣伝費などを集中してカテゴリごとにトップシェアを目指すいわゆる「メガブランド戦略」を展開した結果、トップを奪還しました。現在でも「TSUBAKI」のCMは続いています。

他社のシャンプーのCMは、例えば花王のアジエンスやP&Gのヴィダルサスーンが有名だけど、大人数のタレントさんを使った”囲い込み戦略”は、やっていません。広告の狙いが明確だからだ。
それに対して、「TSUBAKI」のターゲットは20代〜40代と幅広く、しかも女性の多種多様な嗜好にあわせるため、個性の異なったタレントを多く起用している。購買欲 × 女性の数 = 商品戦略にしなければいけないのは、男にはなかなか分からないものですよね。
そして、もっと大変なのは演じているモデルやタレントさんたち。広告にはCM縛りっていうものがあり、同期間中に競合他社と契約は結べないお約束。タレント事務所は、出演番組の広告も調べなきゃいけないから、マネージメント管理はかなり大変だ。CMの仕事を取るのは大変だけど、取った後も大変なのは言うまでもない。

2009.September.25

アップルストアに行って来たよ

「コマーシャル・フォト」と「ビデオサロン」が主催するアップルストアのスペシャルイベントで、EOS 5D Mark II でテレビCMを撮る!と題したワークショップをやっていたので、さっそく見に行きました。イベントではCMディレクターの高橋敏郎氏をゲストに招き、5D Mark IIを実際にコマーシャル現場で使用した感想をお話いただきました。下のムービーがそのCMです。

アルファードがプラハの街を通り過ぎる瞬間に合わせて、アパートの住民たちが次々に窓を開けて車に注目するっていうのが、このCMのコンセプトです。そのため同時に窓を開ける必要があり、タイミングを合わせるために今回は部分的に合成したそうです。その合成素材を撮影する際に、1階から5階までの映像フッテージが必要になり、効率化のためカメラ2台体制(ひとつはARRIFLEX)で5D Mark II を使用した、とのこと。
(スタジオの高さの関係で、3階までのやぐらしか組み立てられなかった。4・5階は5D Mark IIで別撮り)

ミュージックビデオ業界は5D Mark II使っているところもあり、ますますデジタル一眼ムービーの勢いが盛んになるんだろうけれど、まだまだ動体歪みや熱問題など様々な障害もあり、使う現場が限られてしまいます。かくいう僕もムービーにハマっていますが、なかなか難しいですね・・・。

2009.September.11

ロッテリア返金保証とマクド0円コーヒー

話題となった「ロッテリア返金保証とマクド0円コーヒーに見る選択と集中」のニュース。まずは、その感想から・・・。
マクドナルドの低価格戦略は、100円マックが好評で市場に受けました。そのカクラリには、固定費(人件費・店舗賃借料)と変動費(売り上げに比例して動くコスト)を考えた巧みな戦略があります。早い話、10円の商品を100人に売るよりも、1円にして1000人に買っていただいた方が利益率が高いという考え方です。でも、デフレ戦略のやり過ぎで客単価が落ち込み、利益を出すためには、相当数の顧客動員が必要になってくる。大変ですねー。
そして新しく、より多くの客数向上を狙うため、0円コーヒーのサービスが始まりました。スターバックスやドトールに行く顧客を呼び込む戦略だ。街で試供品を配るよりも、店舗で寛いでいただく。そのために全国の店舗改装をしたようなもの。長い長い広告戦略でもある。

ロッテリアの「絶妙バーガー 返金OK」も面白い。食べてみて美味しくないと感じたら、代金返金していただけるという、外食産業ではとても珍しい戦略。礼儀正しい日本人を逆手に取った、その戦略が功を制して返金率は0.2%だったそうだ。広告費を売り上げの1%だとしたら、もの凄く効率的だったと言えるでしょう。

まぁでも、こうした「安い」を謳い文句にした広告は、ビジュアルの質も低く感じられてしまうわけで、入り口の広さと商品価値のバランスを取るのも難しいものだ。写真を撮るカメラマンも、大変ですねー。

2009.September.09

女性誌売れなくなった理由

数日前のYahooニュースの記事に「女性誌売れなくなった理由」とある。かなり興味深い内容だ。簡単に言うと、クライアントよりの昔ながらの雑誌作りをしているから売れなくなったと。
売れていたCanCamも蛯原友里さん、押切もえさん、山田優さんと人気モデルで読者支持を得ていたのですが、毎回おんなじ企画内容なので飽きられてしまったのでしょう。昔は買ってたけど、今は本屋で立ち読みするくらい・・・って言う子も多いですからね。

それに対して、宝島社の「InRed」編集部は毎号議論を重ね、読者目線で支持を得ている。コレが受けているから丸ぶりするっていうのはどの業界もあることですが、毎回、新しい企画を考えユーザー目線でありつつ、提案している企画作りこそ大切なんですよね。ちょっと昔の音楽業界でも売れているアーティストが三ヶ月連続シングル出したり、PVもガンガンCMで流したりしていましたが、消耗も早く一発屋になってしまう人も少なくありません。今は、ネタ番組乱発でお笑い芸人の一発屋が増産されているようです。クオリティーを維持するのも大変ですよね・・・。

2009.September.08

被写界深度とイマジネーション

写真集が昔に比べて感動しなくなったっていうの、よく聞きます。それはなぜなんでしょうね。確実に撮影機材は洗練され、印刷技術や紙質も向上しているのに、なぜ、グッとこないのでしょう。

ひとつは、デジタルカメラが原因だと思います。写真集でよく使われていた中判のフォーマットが、ひとつ小さい35mmのサイズになっているため、全身撮影した時のボケ具合が全然違うのです。35mmフルサイズのデジタルカメラよりも、中判カメラの方がより人物を浮き立てることができるわけですから。
また、デジタルでは当然、フィルムの粒子も無いので味気なくツルッとした写真になってしまいます。きれいで今風と言えば聞こえはいいのですが、私にはどうしても安っぽく見えてしまう・・・。
フィルムをスキャンしてパソコンでデジタイズすることは、作業効率と品質確保に必要なことであり、個人的にはそれが「感動しなくなった要因」ではないと思ってます。今では映像制作の現場でも、ノンリニア編集が当たり前になっていますが、映像現場においても直接的に起因しているとは考えにくい。

カメラの被写界深度とは別に、もうひとつ私が思うのは、「明るくはっきり見せる」という価値観が浸透してしまったからだと思うのです。テレビドラマで暗く沈んだシーンって、あんまり見かけませんよね。スタジオではテレビで見やすいようにできるだけ明るくライティングを調整しているだけなのですが、スチールの撮影現場でも同様に、編集やクライアントは、「暗い」っていうことに過敏になったりします。どこにでもコンビニができて街灯の代わりになり、街が煌煌と明るくなってしまえば、おばけが出そうな丑三つ時さえも怖くありません。ただ、何かに怖れる気持ちは、イマジネーションにも繋がりそれが様々な妖怪の文化人類学になったわけで、すべてに照明をあててしまうのが必ずしもいいことだと思えないのです・・・。

2009.September.05

東洋と西洋では見方が違う

みなさんには下の絵を見て、真ん中の花がAとBどちらのグループに属していると思いますか?

(世界まる見え!テレビ特捜部「こんなに違う!?東洋と西洋」から)
結論から言うと、東洋人はAグループ(花びらと葉での括り)、西洋人はBグループ(茎でカテゴライズ)と答えたのです。
で、それがどうした? と思うかもしれませんが、僕にとってコレは目から鱗が落ちたというか、長年の謎が解けたとても興味深い心理実験だったのです。

西洋のモノの考え方の紀元はギリシャ時代まで遡り、「世界はモノと空間とが分離して存在している」と考えられています。それに対して東洋は古代中国の価値観を基礎と捉えていて、「世界はモノと空間とが柔軟に関わり合って存在している」のだと。
一枚の絵を見た時、西洋人は絵の主題に注目するが、東洋人は全体の構成まで眺めて絵を評価するとのこと。

「いやいや、そんなの個人個人の価値観であって如何様にも変わるでしょ」って思うかもしれませんが、その国にいる限り、誰しも周りの価値観に左右されることもあるわけです。赤信号なのにみんなで横断歩道渡っちゃう国民性は、我々のアイデンティティーに潜んでいるってことなんですよね。

そこで、私の長年の謎について・・・
今の世の中、ネットを介してボーダレスな時代に突入していて海外のコンテンツをどこでも簡単に見ることができます。例えば、海外の写真をネットで調べて撮影資料として使うこともあるのですが、実際、それがしっくり来なかったり、失敗することがあるのです。いや、成功することの方が少ないかな?
西洋美術の黄金比に習い、完璧にライティングしても、現場では日本人同士でモノを作るわけで、絵のまんまになることはない、と。主張しているモノだけ見るのか、全体を見るのか、価値観の基礎が違えば、同じ絵でも、見る目線も違う。私の美術論が揺らぎそうです!?

この話、まだまだ奥が深いのでいずれ、また・・・。